こんにちは!オフロード部のエグチです。
今回は全日本エンデューロ選手権の第3戦、いわゆるHTDEと称されるレースにNBクラスで参戦してきました。
参戦メンバーは私に加えて同じくNBクラスにOJ、なぜかサポート兼メカニックとして全日本エンデューロIAクラスなはずのTom選手が付いてきてくれました。
今回はオフロード始めて2年足らずの二人がどうして全日本選手権、ましてや北海道まで海を越えて遠征することになったのか、経緯を含めてレポートします。

DAY -240 ヒダカってなんですのん

なんかこういう壮大な感じらしい

オフロードを本格的に遊び始めて2年足らずなのですが、そんな私がなぜHTDEに出るといった無謀なことを言い出したかといいますと、「日高はイイゾおじさんが会社に多数居るから」というのが最も大きな理由だったかもしれません。

当社はそもそもオフロードを嗜む社員が多く、その中にはHTDE参戦経験がある者も多数おりました。
オフロードを始めてそこそこ楽しくなってきてしまった私に対して、そんなHTDE参戦済みな先輩社員(役員含む)たちが口を揃えて「日高はいいぞ…。」と言うのです。
コース、ロケーション、イベントの雰囲気など様々な要素が何か知らんが全部良い、といったようにポジティブな側面のみを抽出して濾過したようなキラキラ情報のみを繰り返し注入されたのです。

IA社員”Tom”がサポートしてくれるらしい

加えて今回サポートしてくれたTom(後輩)が「エグチさんが参戦するんだったら自分もサポートで行きますよ」と本気なのか冗談なのか分からないことを提案してきます。
前述のようなプレゼン、後輩のサポート参戦宣言などを繰り返し浴びせられた結果「2026年の目標はHTDE参戦とします!」と、すっかりヤル気になってしまったのです。後々考えると、ほぼ洗脳だなと思ってしまいました。

そして参戦の決意と同時に「こんな一大イベントは同期を巻き込んだ方が絶対おもろい」という思いつきから、同期かつ同じくオフロードハマり始めていたOJにHTDEの魅力を洗脳プレゼンし、めでたく二人目の参戦メンバーの確保となりました。
参戦を決めたのが2026年初頭であり、そこから9月まで長い長い準備期間が始まります。

↓過去の日高参戦の様子はこちらから↓

DAY -14~-2 準備が終わらない

ライト付けたりウインカー付けたり

時間は一気に飛んで9/20のレースから2週間前。
そこには「コレ間に合わないかも!」と泣き言を言いながら作業する参戦ライダー二人の姿がありました。
エグチの場合は灯火類の無いYZ250Xにメインハーネスから何から何まで、公道走行に必要な装備を作成&取付作業したり何故かチャンバー交換をしたり。
OJの場合はセロー250なのでトレール車であり、本来灯火類は装着済みなはずなのですが、なぜかこちらも延々とレース直前まで車検対策的な作業をしていました。

エグチ

出発三日前に制作したリアセクションが破断

パーツをポチポチ買い集め、実際に車両制作をスタートさせたのが日高への出発2週間前。
今思えばこのスケジュールが如何に甘い見積だったかと過去の自分を張り倒したくなります。
純正で一切の灯火類を持たない競技車両に、新たにハーネスごと電装系を装着するのがどれだけ大変だったかを舐めていました。
DRC様のハーネスキットをベースとしつつ、なんやかんやと加工を重ねて気づけばもう出発1週間前。
最終テストでは夜なべして作ったリアフェンダー周りがポッキリと崩壊したりと、なかなかメンタルを削られました。
最終的には間に合いましたが、結局出発3時間前まで作業してましたし、仕事→夜なべ作業が続いたせいで記憶がありませんでした。

OJ

夜エンでボコボコになったセロー

HTDEの約3週間前。長野の大町で開催された「CGC夜のエンデューロ 7時間耐久レース」で酷使されたセロー君は、シートやらシュラウドやら灯火類やらが破損し、そこそこの重傷状態でした。
そんなセロー君の修復作業から、僕のHTDEに向けた準備がスタート。
それなりに余裕をもって着手したはずなのに、いざ作業を始めると「アレもやりたい、コレも直したい」とタスクが無限に積み重なり……結局、出発当日までギリギリの作業に追われるハメになってしまったのです。。。

Tom
大変そうでした。 今回私は出走しないので、ただの北海道観光です☆

DAY -2 今何時間起きてるっけ?

出発の3時間前にやっと積み込みが始まる

結局出発直前まで車両製作が続き、徹夜での出発が確定した面々は一度それぞれの家に帰宅。
木曜AM1:00に解散し木曜AM3:00に再度集合、新潟港に向けて出発しました。

免許が無いのを良いことに寝コケているOJ

ちなみに今回のHTDE参戦の行程としては

  • 09/17(木)午前3時に新潟港へ向けて出発、午後0時に北海道へ向けてフェリーが出港。
  • 09/18(金)午前4時に小樽港へ着、唯一の北海道観光DAY
  • 09/19(土)車検、コース下見
  • 09/20(日)レース DAY1
  • 09/21(月)レース DAY2

といった感じ。帰宅の日数も含めると大体6日間というなかなか長期間の遠征となりました。
水曜日の朝から仕事→整備&準備→出発といった強行軍となってしまったため、全員がスタート時点からHPほぼ0といった状態。
先が思いやられるスタートとなりました。

徹夜行軍が功を奏して余裕で到着

結果として船には無事到着。その後数日間を共にする元オフロード部の先輩、元同期のパパなどと合流しました。
出港後はせっかくの船旅ということもあり、元気にデッキで遊びたかったのですが我々のHPは既に30時間超えの連続行動により0というかむしろマイナス。
程良く揺れる船体に身を任せた瞬間、意識が飛び目が覚めたのは夜18時でした。

エグチ

船内でトラックとトラックの間にハイエースをインサート

直前までの車両製作で徹夜ハイになっていたのもあり、新潟近辺までは楽しく運転してしまいました。
米どころ新潟駅で朝ごはんにおにぎりを食べたり、乗船後も諸先輩方や同じ船に乗り合わせたHTDE参加者の方とお酒を呑んだり、もはや若干寝るタイミングを失っていました。
しかし乗船2時間後には強烈な睡魔が到来、無事に車両が間に合い乗船できた安堵感もあり寝落ち。
同行者の証言では「ベッドに横たわった後2秒くらいでイビキかいてた」とのことです。

OJ

新潟駅で朝ごはん(米)

車両制作の作業に追われて睡眠不足が続いていたせいか、フェリーに乗船して仮眠をとるまでの記憶が正直曖昧です。
唯一覚えているのは、乗船してすぐに飲んだサッポロクラシックビールが体に染みわたり、疲労が吹き飛ぶほど美味しかったことくらいです。(結局そのあと恐ろしいほどの睡魔に襲われ、逆にどっと疲労が出たんですけどね)

Tom

日向に居るだけで寝落ちしそうだった

準備がない私は早めに帰ってちゃんと寝ようとしてたんですが”なぜか”ガレージに居残りしてしまい無事敗北。
関越道で2~3回ほど記憶を飛ばしましたが新潟の空気を吸い無事生き返りました。
直前ぐらいまでこれから18時間もフェリーかよ~の気分だったのですが乗ってしまえばあっという間。たっぷりと10時間以上を睡眠で飛ばしました。船上でもドカ食いしたのだけは覚えてます。

DAY -1 つかの間の観光

ナマケグマって北海道に居るんですか?

朝4時半に小樽港へ到着。これから4日間の北海道生活がスタートです。
この日は唯一何もレースのことを考えなくて良い観光DAY。
札幌に一泊する運びとなったので、札幌近郊で観光します。
北海道大学博物館にサッポロビール博物館、味噌ラーメンにジンギスカンと、普段やらないようなド定番観光コースを堪能。
OJの激臭ブーツ事件など、ここには書ききれないようなアクシデントもありはしたのですが、前日までの準備疲れをリフレッシュできる楽しい一日でした。

エグチ

旅行の時くらいしかちゃんとした朝ごはんって食べないよね

翌日の車検に「ホントにオレのYZ車検通るのかな…」と不安を抱えながらの観光は、さながら夏休みの宿題をやらずに家族旅行に来てしまった小学生そのものでした。
また何度も「このまま観光だったら良いのに!」と思ってしまったのも事実。
北海道は何回か観光で訪れていますが、改めて札幌もまだまだ見てないスポットが多いなと感じました。
あと、宿泊した札幌ユースホステルの部屋がとても病室っぽかったです。

OJ

ジンギスカンでご満悦

「残り3日、このまま北海道観光をして帰りたいな……」と本気で思えるくらい、充実した一日でした。
とにかくジンギスカンが信じられないくらいうまかったです。羊肉の油でコーティングされた口をビールでさっと流すのがこれまた最高。
……というか、今これを書いていてふと気付いたのですが、フェリーに乗ってから僕、ずっとビール飲んでますね。
これは間違いなく、ずっと一緒に行動していた先輩のせいです(笑)。

――あ、ちなみに余談ですが「OJの激臭ブーツ事件」について。
これは半年前に購入したオフロードブーツが、なぜか「猫のしょんべん臭」を放つようになってしまったという絶望的な事件なのですが……。
「フラットラボ ギアウォッシュ PRO」+家庭用衣料用洗剤+重曹のトリプルコンボで漬け込んだら、あの激臭が完全に消え去りました!

とりあえず皆さん、今すぐフラットラボのギアウォッシュを買いましょう。

Tom

北大博物館でご満悦

北海道は素晴らしい。常にその思いを持っていた1日でした。小樽に着港してからは海鮮丼に始まりジンギスカンに味噌ラーメン。道中セコマに寄ってはホットシェフ。余すことなく楽しみました。
普段観光しない我々にとってはド定番くらいの場所がちょうどいいのです。まさか北大博物館にあんなに長居することになるとは思いもよらず。

北大博物館に行く予定の方は入口付近にある”からくり貯金箱”を試してみてください。何とも言えない気持ちになれます。\Boys, be ambitious/

DAY 0 この川走るんですか?あの玉なんですか?このサカがテストなんですか?

レースの車検も陸運の車検もビクビクしちゃう

いよいよレースウィークがスタート。
日高のレース会場に現地入りします。
この日は我々にとって第一の、かつ最大のハードルである”車検”が待ち受けています。
というのもHTDEは公道を走行する区間があるため、保安基準に適合した状態の車両しか出走できません。
またそういった灯火類を含めてチェックされる車検を受けるのは初めて、当然ながら「車検を通すために車両を制作する」という作業も初めてでした。
そのため我々は「車検受からなかったら走れない…」とちいかわ並に心が縮こまった状態で車検に臨みました。

OJ、音量で別室行き

結果として車検は二台とも合格。OJのセローがレーサーを差し置いて音量測定されるなどの珍事はありましたが、拍子抜けする程スムーズに車検に合格してしまいました。
「とりあえずコレで走れる!」といった安堵感を胸に抱きつつ、今度はコースの下見に行きます。

この川、走るらしいです

下見を行うのはテストと呼ばれるタイムアタック区間のみ。テストしか下見しない理由は「ルートが長すぎて下見が不可能だから」と、実に北海道らしい理由です。
クローズドコースでないエンデューロイベントを走るのは初めてだったので
Tom「アノ青玉看板ガ”このルートで合ってます”表示デス。バツ印看板ガ”このルート間違ってます”表示デス。曲ガリ角ハ、矢印看板ガ置イテアリマス。」
などとIA選手による超初歩的JEC講座を聞きつつコースの下見を行いました。
エグチ「え、じゃああの川の中洲のど真ん中に青玉看板があるのは…?」
Tom「ハイ、コノ川ノ中を進メッテコトデス。」

エグチ

なんかもう空が広い

これ絶対ミスコースする!という印象が一番大きかった記憶があります。
またテストにおける下見の際はドライコンディションだったので、下見も「まぁどうせ下見したところで覚えられんしィ~」ととても意識の低い下見行為をした結果、DAY1の雨でとても後悔しました。

夜の廊下が怖いんじゃ

あと下見は関係ないですがレース中のお宿はレース会場からすぐの”日高青少年自然の家”。
学生の時に林間学校で泊まるようなお宿で、学生時代の思い出あふるる情景でした。
あと夜中は館内が消灯されるのでとても怖いです。

OJ

エクストリームテストの下見中

「すげえ!こんな広いゲレンデ走れるなんて!」
「うわ……川のど真ん中走らされるのかあ……」
「え、これテストコースだよね……? まじで?」

序盤こそテンションが上がりワクワクしていたものの、下見を進めるごとにどんどん不安要素が積み重なっていきました。
ちなみに、4つあるテストコースのうち、僕が唯一不安を抱いていたコース……それが「エクストリームテスト」でした。

Tom

JECマナー講師とNBライダー

ミリも知らないJECツアー を開催しました。HTDEならではのルールがあるのでそれを伝えつつ親切丁寧に心を込めてレクチャー。エグチ選手、OJ選手共にずっと口角が上がっていた気がします。え?引きつってるだけじゃないかって?多分気のせいです。
道中ずっと適当なルールを教えたらどうなるんだろうかなどと考えていましたが良心には逆らえず...。

DAY 1 「沼にハマっちゃって」

スタートは大雨

いよいよレース初日がスタート。
そしてまさかの大雨。
走ったことない北海道の大地、落ちたら帰ってこれない系セクションがある等の数々の脅し、劣悪なコンディションなど致死量の不安を抱えてのスタートとなりました。
また結果としては、レース全体としてもこの日は一部の遅着ペナルティが取り消されたり、悪天候による混乱が若干あった一日でした。

今大会イチの名場面

JEC公式様のハイライト動画などをご覧いただくと分かりますが、参加ライダーはみんな泥と雨でビチャグチョです。
また動画内に収録されていたOJのレース後インタビュー「沼にハマっちゃって…。」が生まれたのもこのDAY1でした。
レース内容の詳細はそれぞれのコメントからどうぞ。

エグチ

全身すべてが浸水しました Photo by JEC公式様

DAY1の前半はとにかく雨で寒かったです。
前半のTC1、TC2(チェックポイントみたいなやつ)までは指定タイムから10分程余らせつつのオンタイムで、ひょっとしてこれはオンタイム完走イケるんちゃうか…?と思い始めていました。
噂に聞いていたコンクリートの巨大排水路鉄骨渡りやヤチと化していたエリアもなんとかクリアしTC3へ到着。
問題は後半のTC3からTC4で、80km近くのルートとなります。
このルートは前半が川を渡河しながら遡上し、その後はウッズをちょろっと走った後はエクストリームテスト(タイム計測があるちょっとムズいコース)、さらに最後は超高速林道セクションとかなりバラエティに富んだ鬼門ルート。
後半の林道までは特にトラブルや転倒もなく順調に来ていたのですが、ふと時計を確認するとTC4の到着タイムまで余裕が無いことに気づきます。
コケたりイゴッたりしたわけでもないのに何故!?と思いここから焦ってペースアップ。
後から分かったことですが、このTC3→TC4で一気に設定タイムがキツくなっており、これまでのペースとのギャップから私のようにペースを読み違えるライダーが他にも居たとか居ないとか。
そしてギリギリオンタイムで間に合うか間に合わないかというところで、それは起きました。

夜なべして作ったリアセクションが破断(6日ぶり2回目)

走行中にリアから「カン!カン!」という金属音が響くようになり、明らかに何かが外れかけている音がするのです。
振り返ってみるとリアフェンダーから何かがぶら下がってリアタイヤに撥ねられまくっていました。
恐らくナンバープレート及びナンバープレートホルダーのASSYが外れたのですが、脱落防止にカットワイヤーで対策をしていたことが功を奏しました。
時間が惜しいため引きずったまま走っていたのですが「カン!カン!カン!ゴシャッ!」と明らかに何かを巻き込んだ音が発生。
ここでオンタイムを諦めコース脇で車両の状態を確認。見事にテールランプ一体型のリアフェンダーが根元から折れていました。
ゴシャッという音はナンバープレートASSYをリアタイヤに巻き込んだ音で、ナンバープレートは三つ折りの無惨な姿に。

フィニッシュ前残業

コース脇でナンバーにジャンピングストンプ板金を行い、翌日の再車検を避けるために応急修理を行いフィニッシュとなりました。
修復作業やらが無ければオンタイムが見えていただけに悔しい結果となりました。

OJ

闘うトレール勢

全体の1/3位までは、若干遅着こそしていたものの「このまま行けばタイムオーバー※に引っかからない時間でゴールできる」。そんなペースで走っていました。
ところがどっこい、大体半分を過ぎたくらいのルート区間で、思わぬ事件が起きました。
目の前にあった大きめの根っこを「ひょいっ」と超え、前輪が着地したその瞬間……そこは地面ではなく、まさかの沼! バイクも僕も勢いよく前転し、頭から沼に突っ込んでしまいました。(見渡すと迂回ルートがありやがった....!)
車体の半分くらいが沼につかり、車体を起こそうにも足を取られて踏ん張れず。一人ではどうにもこうにもいかず途方に暮れていたところ、心優しい選手が僕とバイクを救出してくれました。
まさに地獄に仏。泥まみれの視界に映る彼は完全にヒーローでした。もう彼が住んでいる方角には一生足を向けて寝られません。

まだ元気そう

その後、疲労困憊のなかルートを進み、遂に現れたエクストリームテスト。
スタート待機列の手前で様子見をしていたら、満面の笑みのカメラマンに「なんかすごいドロドロだけど大丈夫?(笑)」と絡まれ、内心「大丈夫じゃねえよ」と思いながら状況を説明。
運良く(?)インターネットの世界に晒される形となりました。

エクストリームのサカから落下するOJ Video by JEC公式様

そんなこんなで「今の体力でここをクリアできるのかなあ」と思いつつ、「ええい、ままよ!」の気持ちでスタート。不安をよそに意外と順調に進んでいたのですが、最後に現れたヒルクライムが強敵でした。
普段ならなんてこともない坂道なのですが、疲労困憊のなか目の前に立ちはだかると心が折れそうでした。
1本目のチャレンジは、目の前でイゴっている車両と接触しそうになってバランスを崩し失敗。チャレンジ渋滞が出来ていたので、列の最後尾に並び直して再チャレンジ。運よく2度目は気合で登頂しきり、そのままテストを完走しました。

満身創痍で帰還

その後は時間内のゴールを目指して走るも、時すでに遅し。最後のタイムチェックを受けてパドックに戻ってくるも、タイムオーバーでDAY1は終了となりました。

※設定された時間から30分遅着するとタイムオーバー、つまりリタイアとなります。

Tom

タイムチェックでTomが待ってる

まさか雨が降るとは思いませんでした。
チェックポイントで待てど暮らせど帰ってこないときは心中穏やかではありません。前日に思いつく限りのリタイアパターンを考えていたので(どのリタイアをするんだろうなぁ…)などと考えてみたりしてたら疲弊しきった二人が到着。大荒れのコンディションにやられていたようです。
直近のHTDEとは異なりかなり時間設定が厳しく、自分の見ている限りでは1日目にしてかなり多くの選手がやられていたようです。

初日からマシンの破損もあり、一日目ゴール後の整備タイムではご近所パドックのHONDAさんにパーツを貰いに行ったりタイラップで工作してみたりと走行終了後もコンテンツは盛沢山。自分が出走している時とは大違いで新鮮でした。

とはいえサポートとしては怪我無く1日を終えさせることが出来て満足です。

DAY 2 日高はイイゾ

お天気ヨシ!

打って変わって晴天に恵まれたDAY2。
ただルートのタイム設定については路面状況の悪化や昨日の混乱を考慮し、C設定と呼ばれる最も緩いタイム設定となりました(制限時間が長い、みたいな)。
実際一部セクションにはハマると自力で抜け出せないヤチが生まれていたり、掘り散らかされた結果ワダチがとんでもないことになっていたりと、二日目もそこそこにトリッキーな路面。
しかし大体の路面は渇き始めており、晴天のなか北海道らしい高速かつ長大な林道ルートをカチ開けしていくのはとても爽快でした。
「これが日高か!!」と思わされるような爽やかな一日となり、タイム設定が緩くなったお陰で少し余裕が出てきました。。

エグチ

オレの鬼キックをみんなが見てる

DAY2はスタートから鬼キックの不穏な幕開けとなりました。
蹴っても蹴ってもエンジンがかからず、一瞬ペナルティを覚悟したところギリギリでエンジンスタート。同じ組でのスタートであったオフロード部OBが隣でゲラゲラ笑っていた光景が忘れられません。
また人生初の2DAYS開催であり、前日の疲労でバキバキの動かない体を引きずってのテストはなかなかハードでした。

これでも必死なんです Photo by JEC公式様

HTDEのコースレイアウトはスタートしてからすぐにタイム計測があり、準備運動無しでのタイムアタックがスタートします。
初期型アシモより鈍い動きでなんとか無転倒でテストをクリアした後に、Tomが「エグチさんこのタイムってことは1回くらいコケたんですか?」と聞いてきたことが忘れられません。
その後は路面コンディションも良くなり、タイム設定も緩くなったこともありかなり余裕を持ってTCに到着できました。
前日にやらかしたTC3→TC4のルートでは、恐らく人生で最も集中してバイクに乗った時間でした。
結果としてはTC4の設定タイムに20分余らせて到着。
DAY2最大のやらかしは、エクストリームテストのヒルクライムで谷側をキメてしまい1分近くロスしたこと。
前走車がコケてラインが無くなっていたのもありますが、悔しすぎて転倒したシーンをその日の夜に夢でみました。

オレの名前はオンタイムマン。人生初めてのオンタイム

最終的にはオンタイムで完走。コンディションも良くとても気持ちよく走れた一日でした。

OJ

リベンジに燃えるOJ

DAY2が始まり、僕は早々に思い知らされました。「2DAYSってしんど!!!」
そうです、僕の筋肉にはもうカーブで踏ん張る力も、スタンディングをする体力も1ミリも残されていませんでした。ただただアクセルをひねり、バイクに揺られて進むだけの「生きた人形」と化していたのです。

川渡りセクションは順調だったらしい

1か所目のタイムチェックポイントで待っていたサポートのTomに、「あと少しです!頑張ってください!」と励まされてリスタート。
DAY1の悪天候とは打って変わって、ルート区間には絶景が広がっていました。走りながらさっきのTomの言葉がフラッシュバックすると、これまで車両制作にかかった途方もない時間や、自分の不甲斐ない走りへの悔しさなど、あらゆる感情が入り交じり……ヘルメットの中で思わず男泣き。視界が涙で滲みました。
「絶対に踏ん張って、今日こそタイムオーバーせずにゴールしてやる!」
涙を拭い、気合を入れ直して進んだのです。

DAY2 エクストリームテスト直前の一枚

……が、現実は非情でした。エクストリームテストの例のヒルクライムで、またしてもイゴり散らかすハメに。

フットペグ、消失

転がったバイクを起こそうにも、もう筋肉が微塵も残っていません。通常の10倍ほど時間をかけてなんとかテストを抜け、満身創痍でゴールへ向けて走っていたのですが……ふと足元に違和感が。
「あれ? ブレーキ側のステップ、なくね……?」
いつの間にか、右足のステップが脱落し、跡形もなく消え去っていたのです。

5分くらいこのまま動かなかったOJ

そこからパドックに戻るまでの約1時間。ただでさえ限界の体で、「右足が常に宙に浮いている」という地獄のバランストレーニングを強いられることに。
プルプル震える右足をかばいながらなんとかパドックに生還したものの、もちろん無情のタイムオーバー。僕の波乱に満ちた2DAYSは、こうして幕を閉じました。

Tom

おつかれ、Tom

感動しました。
スタート時点でアルミテープで必死にナンバープレートを保持する先輩に終始うつろな目で小声でぼやく先輩。心が折れようともここは試される北の大地、進むしかないのです。

2日目は両名とも順調に走行しており最後に遭遇したチェックポイントまでは元気そうな様子。エグチ選手は爽やかな表情でゴールしており、サポート冥利に尽きます。

一方OJ選手はまたしても満身創痍になり、300人を待たせるという圧巻の遅着行為。ステップと共に心も折れたようです。

DAY 2-1 誰だ陸路で帰ろうって言い出した奴は

レース終了後即出港

無事2日間のレースを終えた我々は帰宅の準備を始めます。
なんなら行程としてはここからの帰宅コースが一番キツイ。
ルートとしては
レース終了後お片付け開始、早々に苫小牧のフェリーターミナルへ→苫小牧⇔八戸フェリーで7時間移動→八戸港から家まで約800kmの陸路帰宅スタート
という行程でした。誰だ帰りはケチって陸路で行きましょうって言った奴。

桟橋でスタンバっていたオフロード部員O氏

そして帰り道はまさかの新メンバーを迎えての旅路。
夏休みで暇してたオフロード部員が八戸港で我々を待っていたのです。
そんなこんなで新たな仲間を迎え、観光しつつおよそ17時間の帰路に就くのでした…。

エグチ

八戸漁港飯がとてもうまかった

仙台手前辺りから福島県までの間の記憶が一切ありません。
個人的なハイライトは八戸港でフェリーからクルマで降りる瞬間、桟橋を渡った先にサングラスをかけた後輩が待っており
「本当に居るwwwww」と爆笑した瞬間です。
ちなみに彼は深夜バスで八戸に今朝着いたそうなので、八戸滞在時間は1時間半程度だったようです。
また搭乗者全員が寝ぼけていたため、ハイエースのリアゲートを全開にしたままフェリーターミナル→八戸魚市場まで移動してしまうインシデントが発生したり、無事帰宅できたのが今では奇跡のように感じられます。

OJ

観光で気を紛らわせながらの帰宅

八戸港の市場で絶品の海鮮を味わったあと、道中で念願だった「キリストの墓」に立ち寄りました。
泥だらけのオフロードレースから一転、青森でキリストの墓を巡礼するというカオスな行程でしたが、ずっと行ってみたかった場所に行けてとても嬉しかったです。
これにて、長くて濃い僕の北海道遠征は無事に幕を閉じました。

Tom

寝床にフラッシュを炊かれるTom

八戸帰宅ルート提案者です。
お家につくまでがHTDE。一行は最後の最後までエンデューロし続けます。八戸に朝の7時に到着しGoogleマップ上は6時間ほどあれば帰宅可能な道のりです。
しかし実際に帰宅したのは日付が変わる直前。観光したとはいえ+10時間をどこで消費したのか今思い出しても不明です。旅行はいつだって思い通りにはいかないものです。

おわりに

正直また走りたい

そんなこんなで無事怪我もなくHTDEから帰宅するのでした。
まとめとしては「日高はイイゾおじさんになるのも分かる」という感想に尽きます。
他には無いロケーションやイベントの雰囲気で、確かに一生に一度はぜひ走ってみるべき舞台だと思います。
ただ遠征費的には、交通費+宿代のみで8万円前後(無駄遣いや観光代含まず、さらに同乗者と交通費割り勘前提)となるため、おいそれとは行けないのも事実。
ただトータル10万円あれば人生で他にない体験が出来る、そう考えてみればコスパも良く感じられます。感じられるということにしておきます。
オフロードライフを楽しむ皆様も、是非人生で一度はHTDEに出てみてはいかがでしょうか。