2023年3月19日(日)に、静岡県にある富士スピードウェイ ショートコースにて開催された「ミニバイク耐久レース FSWミニろく 第一戦」に「Webike ヤングレーシング2023」で参戦してきました。

Webikeヤングレーシングとは?


Webikeヤングレーシングとは平たく言えば、2023年より活動を開始した「入社3年以内の20代」が対象のバイクレース入門チームです。
「レースをやってみたいけど車両が…」「どんな準備が居るのか…」といった疑問や不安によって、オンロードレースに敷居の高さを感じてしまっている若手社員に、レースの楽しさを知ってもらうことが目的のプロジェクト。
ヤングレーシング発足の経緯や目的など、マシン製作記などについてはこちらで紹介されております。

今回ミニろく第一戦に参加したヤングレーシングのメンバーは

・オンロード部所属Aさん ヤングレーシング総監督
・オンロード部所属Uさん エースライダー 元全日本メカニック(社歴2年目)
・オフロード部所属Kさん ミニろく経験者(社歴1年目)
・22年度新卒 O
・22年度新卒 H
・22年度新卒 エグチ(筆者)

他にもサポートや応援に来てくださった先輩社員も。

レースに使用するバイクはGSX-R125

ヤングレーシングが皆で業務終了後に夜なべして作り上げたバイクです。
前日には本番用新品マフラーを、取付作業時に筆者が地面に落として早速凹ませるといったやらかしも。
ようやく完成したバイクを前にして、「頑張って作ったバイクだしコカして壊したくねえなぁ……」と思っていましたがそんな思いとは裏腹に…

そして更に今回は住友ゴム様に協賛を頂き「SPORTSMAX Q-LITE」というタイヤを使用しての参戦となりました。
ご興味ある方は是非こちらで……

耐久と言えばルマン式スタート


レース前日に本番用マフラーを装着しようしたらO2センサーをねじ切るなど、すったもんだはあったものの無事レース会場に到着。
新卒メンバーに関しては本格的なレースは今日が初めて、更にはサーキット走行自体が初めてといったメンバーも居るという状況でした。
スタート前に先輩たちに引率されて慣熟歩行、練習走行をこなしていきます。

スタートは9時半から。
スタート方式は耐久ならではのルマン式スタートで、スタートライダーはチームのキャプテン的な存在であるUさんに託されます。

スタートの合図でマシンに向かって全力疾走するUさん。

大きな混乱もなく無事スタートしていきました。

順調なペースで周回を重ねていきます。
元メカニックということもあり、走行前の準備や段取りも完璧。
ド初心者の筆者としてはお手本に出来る先輩が近くに居て幸せだと思う限りでした。

無事第一スティントを終えて帰還。
今回の富士ショートコースはパドック前でエンジン停止&降車、バイクは手押しでピットロードを移動というルールでした。

大体どのチームも全力疾走でバイクを押していくので「バイクってあんな速度で押せるんだな」と呑気に見ていました。

序盤の序盤に転倒


30分のスティントを終えて第二ライダーに交代します。
第二ライダーは筆者。

緊張と今日初めて走るコースにおっかなびっくりで走っています。
段々とコースに慣れ、接触等もあり緊張がほぐれてラップタイムがじりじりと上がってきた時、それは起こりました(起こしました)。

積 車 帰 宅。
レース開始1時間も経たないうちに転倒という最も耐久レースで愚かな行為を犯してしまったのです。
原因は何も考えず舗装の補修跡の上でバイクをバンクさせたこと。
コケた瞬間に「なんでェ!?」と叫んだ記憶があります。

被害状況はクラッチホルダーの破損と左ステップの喪失。
ちょうど予備部品の無かったクラッチホルダーを破壊したため、窮地に立たされましたが先輩KさんのツテとSCSRacing様に予備部品をお貸し頂けたため、無事レース復帰となりました。
SCSRacing様、ありがとうございました…!
チームが走れなくなるのではないかという不安と、悔しさを感じつつ、これが耐久レースか…と苦いレースデビューとなりました。

レース復帰、そして最も成長した男


無事レースに復帰し、第三スティントは今年度新卒のOが担当。
「無理せず行ってくるわ」という言葉とは裏腹に、どんどんペースを上げていきました。

レース後半には40秒台で周回するなど、今大会最も成長したライダーと評されていました。
「今回のレースだけ参加するわ」などとレース前は言っていたものの、レース後には次回の練習走行の日程を決め始めるなど、すっかりハマってしまっている様子。
ある意味ヤングレーシングの目的達成なのかもしれません。

人生で初めてのサーキット走行


第四ライダーは部類のレース好き、新卒Hです。
なんとこの日が人生で初めてのサーキット走行。
当社では「初めてのサーキット走行がレース本番」というのはなぜかよくある話で、とりあえず何でもチャレンジしてみるという社風をよく表していると思います。

スローペースではあるものの、余裕を維持しつつ後半にかけてジワジワとタイムを上げていきました。
新卒Hも「もうちょっと速く走れるようになりたい!」と次戦へ向けてのモチベーションは高い様子で、こちらも新卒Oと同じくオンロードレースの世界に片足を突っ込んでしまっていました。

レースはライダーだけじゃ出来ない


レースを実際に走るのはライダー自身ですが、レースの規模が大きくなればなるほど、走ること以外のタスクが増えていきます。
今回はサポートとして来てくださった先輩方も数人おり、改めて「チームで走る」とはこういうことなのかと思わされました。

車両製作も手伝って頂いたオンロード部先輩Kさん。
当日はシェフとメカニックを兼任されていました。

他にも写真こそありませんが、タイヤのインプレッション記事作成ついでにチームを撮影してくれたメディア事業部のNさん、「当日は写真撮るだけだから!」と言いつつ助っ人ライダーとして走行し、さらっとチーム内ファステストラップを記録していったKさんなど、様々な方にサポートされた一日でした。

そして感動のフィナーレへ

その後もヤングレーシングメンバーのローテーションに、総監督を始めとした助っ人ライダーの先輩方を交えつつ、ゴールに向かって走ります。
転倒後も一応走行していた筆者ですが、なんとここでフィニッシュライダーの大役を仰せつかります。
レース残り時間「ここでコケたら今度こそクビや!」といったプレッシャーを感じつつ走っていました。

前半のおっかなびっくり走法に輪をかけて慎重な走りで無事フィニッシュ。
転倒の大罪を犯しましたが、何とか6時間を完走しました。

耐久レースって、こんな感じ


結果としては総合26位、クラス10台中8位というものでした。
自チームのアクシデントや、クラッシュによるセーフティーカーラン、更には「次のスティントまで時間があるけど微妙に何か出来る時間もない」といった耐久レースならではの雰囲気やイベントを味わいつくせた一日に。

個人的には苦い経験もありましたが、「次は見とれよ!」といったモチベーションにも繋がりましたし、何より同期や先輩と言った会社の仲間とレースをする、という経験が貴重だったなと感じました。

来たれ若者、乗らなきゃ損だ


ヤングレーシングはライダーの任期が大体1年、かなり早いサイクルでメンバーが新陳代謝される予定です。
つまりやる気と興味さえあればすぐにでも走り出せるということ。
現実問題、ロードレースを一人で始めるにはかなりのコストがかかります。
でもヤングレーシングはレース車両にお金を出すことも無ければ(コケて壊したら自己負担)、エントリー費も会社負担!
交通費程度の自己負担でレースが出来ることなんて、この先の人生で二度とあるか分かりません。

オンロードレースに興味はあるけどハードルが高いと感じているそこの新卒・若手のあなたも、とりあえずチームに入って、コースを走り出してから考え始めれば良いのです!