まえがき

改めましてkon996です。
普段は個人的なお遊びレースへの参戦レポートをメインに投稿していますが、今回はWebikeでの「仕事」「社風」にまつわる話を書いて欲しい、とのことでしたので、巷でもよく議論されている「好きを仕事にする」というテーマに対して、バイクという趣味にまつわるモノゴトを扱うWebikeで働く自分が思うことを記載します!

「好きを仕事にする」とはどういうことなのか。

そもそも「好きなこと=趣味」と「仕事」は異なります。自分の気の向くままにバイクに乗っているだけ・バイクをいじっているだけでは仕事にはなりません。他者の需要に対して、自分が供給することで初めて仕事は成り立ちます。芸術家を除けば、残念ながらその過程において自分の趣味趣向が影響を及ぼすことはほとんどありません。

ここで言う「好きを仕事にする」とは、自分の好きなバイクを仕事の商材として扱う、ということです。仕事として行う内容は、倉庫作業・データ入力・受発注処理・在庫管理・問い合わせ対応など多岐に渡りますが、それ自体は趣味としてのバイクとはほとんど関連しません。

では商材としてバイクに関連するものを扱うことのメリット・デメリットとはどんなことがあるのでしょうか?

好きなバイクを仕事にするメリットとは?

どんな仕事をするにしても、自分が扱う商品への理解は必要です。自分の主な業務である仕入れに関して言えば、商品知識なしには仕事がほぼ成立し得ないほどです。バイクが好きであれば、その商品知識を学ぶ必要がない、などということは残念ながらありません。誇張ではなく、日々あらゆるジャンルより様々な商品が発売されるため、自分で意識して情報を取りにいかないと、あっという間に周回遅れにされてしまいます。
また仕入れに関して言えば、商品知識があるだけでは仕事が成り立ちません。在庫発注を行う際には、需要予測に関する知識も必要ですし、利益計算を行うには簡単な会計知識も必要です。またWebikeはeコマースを主としていることもあり、そもそもEC事業に対する理解やシステム素養も必須です。
つまり、仕事を円滑に進める上では常に勉強が必要なのですが、好きを仕事にした場合、事例が興味の対象であることより学ぶモチベーションを高く保つことが出来る、というのが最大のメリットだと自分は日々感じています。
例えば、アメリカで本場のスーパークロスを観に行きたい!と思って英語を勉強する方が、なんとなく学校で授業を受けるよりはるかに覚えが早い、といった具合です。

好きなバイクを仕事にするデメリットとは?

これはあくまで自分の場合ですが、自分のこだわりに陥りやすい、ということがあります。あくまでも商品を選ぶのはお客様なので、明らかに設計に不具合のある商品を除いて、本来は全てフラットな目線でご紹介すべきですが、そこに主観が入ってしまう、ということです。商品を紹介頂く際には、自分ではない誰かをもう一人自分の中に作って、その人物と自分と2つの目線で説明を受けるように、普段は心掛けています。
またバイクのような比較的趣味性の強いモノを扱う方に共通しますが、生活=趣味、仕事=趣味となっているケースが多く、ほぼイコールで生活=仕事となりがちです。勤務時間や場所、平日・休日に関係なく、常に仕事のことを考えてしまいます。もっともこれは本人はデメリットとして認識することは少ないのですが、例えばご家族や友人など周りから見た場合、引かれてしまうケースが少なくありません。

結局、好きなバイクを仕事にするべきなのか?

好きを仕事にすること、そのメリット、デメリットをここまで振り返って記載しましたが、今自分が好きなバイクを仕事にして後悔しているのか?と問われると、一点の曇りもなく後悔していません。バイクが好きでなかったら、その好きなバイクを仕事にしていなかったら、今の自分はないと思っています。もっともこれを読んでくれた方にとって同じケースが当てはまるのか、自分には分かりません。

ただ1つ言えるのは、もし今好きなバイクを仕事にしたい、と考えている方がいるとしたら、もう一度「本当に自分はバイクが好きなのか」を突き詰めて考えてみると良いと思います。考え抜いた結果、やはりバイクが好きだと思えたなら、好きなバイクを仕事にしてもいいのではないでしょうか。